金沢21世紀美術館(金沢市広坂、TEL 076-220-2800)で現在、企画展「社会に貢献する金沢美大のデザイン力」が開催されている。同大教員の研究活動を発信する「美大アートワークス2012」の一環。
金沢美術工芸大学と企業の連携により誕生した商品を一堂に紹介する同展。市場のニーズや企業の要望を受け止め、形にした学生のデザイン力を全国に発信しようと、9月には東京でも開催した。
大手企業のデザイナーやアニメの映画監督などの人材を輩出する同大では5年前から、産学連携の取り組みを進めている。卒業生が携わる作品は、トヨタ車「プリウス」の車体、資生堂「TSUBAKI」、サントリー「BOSS」など多岐にわたる。授業時間外で展開する年間約20件の産学連携プロジェクトには、社会で活躍する先輩を目指した多くの学生が参加するという。
会場に並ぶのは、眼鏡の産地・福井県鯖江市の企業とコラボした眼鏡フレーム、金沢湯涌夢二館とコラボしたピンバッジ、金沢市企業局とコラボし加賀手まりをデザイン化したペットボトル「金沢の水」、能登の珪藻(けいそう)土を使ったピザ窯、能美市の酒造メーカーとコラボした焼酎ラベルなど。
同大の寺井剛敏教授は「産学連携のプロジェクトに参加するのは、今はデザイン科の学生が多いが、今後は他の専攻など大学全体の学生が参加できるような体制を作っていきたい」と話す。
開催時間は10時~18時(最終日は17時まで)。11月4日まで。