無伴奏で歌うアカペラの祭典「金沢アカペラ・タウン2011」が8月20日、金沢市中心部の広場や公園を会場に開催される。オーディションはなく希望グループ全てが出演できる全国的にも珍しい音楽イベントで、国内外から集まった初心者からプロまで137組約700人が街中に歌声を響かせる。
金沢アカペラ・タウンは市内で活動する愛好者らが全国規模のイベントを開催したいと市に持ち掛け実現。1年目の昨年は全国の78グループ417人が11会場で日頃の研さんの成果を発表した。今年は、昨年の出演者から話を聞いた団体が次々に手を挙げ、応募数は前回を大幅に上回る134組に膨らんだ。このほか、プロの3組がゲスト出演する。
県内からは、学生サークルや社会人グループ27組が参加し、アカペラコーラスを通じた国際交流を目指す連盟「ボーカルアジア」(本部=台湾)の紹介で開催を知った韓国、台湾、香港の各1組もエントリーした。さらに、東日本大震災で被害に遭った宮城県から東北大学の学生グループ「mk house(エムケーハウス)」と「the E groove(ザ・イー・グルーブ)」の2組も招待を受け、登場する。
愛好者であれば誰でも舞台に立てるとあり、中には、練習を初めて間もない初心者や、今回の出演のために急きょメンバーを集めたグループも。一方、ゲストの「Queen’s Tears Honey(クイーンズ・ティアーズ・ハニー)」(神戸)、「Permanent Fish(パーマネント・フィッシュ)」(同)、「MayTree(メイツリー)」(韓国)のプロ3組は芸術性の高いパフォーマンスを披露し、技術や経験、立場の差を超えた音楽交流が実現する。
出演団体はそれぞれ金沢駅もてなしドームや東別院山門前、金沢市役所前広場、柿木畠ポケットパーク、竪町広場など、「ストリートステージ」として用意された15会場のうち2会場で公演する。
終幕を飾るファイナルステージは18時30分から、しいのき迎賓館(広坂2)の北側緑地特設ステージで行われ、フィナーレでは東日本大震災被災地復興の願いを込めて全員で「上を向いて歩こう」を歌う。
実行委員会会長で出演団体「increase」(金沢市)のメンバーでもある本田政孝さん(42)は「一緒に頑張ろうという思いで被災地のグループを招待した。ファイナルステージは出演者が皆、見に来るので、被災地への応援の気持ちが盛り上がれば」と期待を込める。同じ「increase」メンバーで、本番当日の運営を手伝う北村晃子さん(25)は「アカペラを身近に感じて、歌ってくれる人が増えればうれしい」とも。
各会場の入場は無料。