石川県在住のクリエーターによるデザイン扇子の展示即売会「かなざわるねっせんす」の開催に向け、完成した扇子のお披露目会が6月4日、中央メディアプロ(金沢市福増町)で行われた。
2007年から始まった同プロジェクトは、地球温暖化への関心が世界的に高まる中、扇子をエコ商品として位置付け市場創出することを目的に加賀友禅の店「ゑり華」(竪町)が立案、日本グラフィックデザイナー協会の石川地区会員が運営する。
これまでの出展作品は同協会・石川地区会員だけに限られていたが、今回は広く公募を呼びかけたところ、グラフィックデザイナーやウェブデザイナー、建築家、金属造形家、友禅作家など、石川県で活躍する多様なジャンルのクリエーター93人が応募。集まった257点の扇子意匠は、カメラや唇をデザインしたり、花鳥風月を現代的にアレンジしたりと、いずれも個性あふれるものばかり。最終的に伝統的な手法で扇子へと仕立てられた。
「加賀友禅の名称の基になった宮崎友禅斎も元は扇絵師だった。当時としては斬新だった宮崎友禅斎の図案によって加賀友禅が普及したように、斬新なグラフィックの感性で扇子が再び普及促進できれば」と「ゑり華」の花岡博司社長。同協会石川地区・代表幹事の斉藤慶さんは「石川には有能なクリエーターが数多くいる。このイベントで地元のクリエーターが注目されるきっかけになれば」と期待を寄せる。
同展は6月10日~12日、石川県産業展示会館3号館(同袋畠町)の「金沢PAPERSHOW2011」会場内ブースで開催。開催時間は9時~17時。入場無料。扇子の売上金の一部は東日本大震災被災者への義援金として寄付される。