近江町市場(金沢市青草町)に3月14日までに、東日本大震災の被災者に贈る義援金の募金箱が設置された。同市場でも鮮魚店の店頭から三陸沖の魚が姿を消すなど、震災の影響が現れており、店員や買い物客らは被害の大きさを改めて感じている。
募金箱を設置したのは同市場商店街青年部。箱には「被災された皆様に対しまして心からお見舞いを申し上げますとともに一日も早く復旧されることをお祈りいたします」と記した文章を掲示した。12日に市場内の2カ所に置いたところ、各店の経営者や店員、買い物に訪れた市民、観光客らが次々に善意を寄せている。中には、一万円札を入れる人や小銭をまとめて寄付する人の姿も。
送り先はまだ決まっていないが、青年部では「できるだけ早い時期に選定して届けたい」としている。
同市場にも震災の余波が及んだ。鮮魚店「大口水産」によると、岩手、宮城、福島の各県で水揚げされるマダラや、岩手、宮城両県で採れる生ワカメ、メカブをはじめとする海藻類、養殖ものの生ホタテなどが店頭から姿を消した。しかし、県内をはじめ他産地の魚介類が入荷しているため、大きな支障はないという。
同社の篠野康一郎鮮魚1課統括課長は「これまで取引してきた岩手や福島の問屋や漁協の人たちのことが心配だ。魚は今のところ他産地のもので賄えるが、今年の冬にタラの値段が高くなるなど、今後さらに影響が出てくるのでは」と視線を落とす。
青年部長で果物店「フルーツ坂野」を営む坂野浩章さんは「テレビでたくさんの方が亡くなっているのを見て、微力ながら近江町として協力したいと思い募金箱を設置した。たくさんの方に協力してもらっている」と感謝を込めた。