3月11日午後に発生した東北関東大震災の被災者を支援しようと、石川県内で県民からの献血が相次いでいる。献血ルーム「ラブロ」(金沢市片町2、TEL076-220-1655)には14日午前、平日朝にもかかわらず47人が訪れ、職員が対応に追われた。
県内では、同ルームと県赤十字血液センター(鞍月東1、TEL076-237-5533)、移動採血車で献血を受け付けている。震災発生翌日の12日、同ルームは休館したものの、同センターには普段の土曜の来館者数を30人程度上回る113人が足を運び、羽咋市のスーパーマーケットに出向いた移動採血車には129人が協力を申し出た。13日は同ルームに通常の2倍の約200人が駈けつけ、職員総出で問診などに当たったが対応しきれず、174人までで受け付けを終了した。休館日を返上して臨時開設した同センターには161人が駈けつけた。
両所では14日午前も献血者が相次ぎ、同ルームには小さな子どもを連れた夫婦や学生カップル、主婦らが次々に姿を見せた。被災者を助けたいとの思いから初めて献血する人も多く、被災地の悲惨な状況を伝えるテレビの報道番組が流れる待合室で静かに順番を待った。同センターの午前中の受け付け人数は42人だった。
県内からは12日、富山、福井両県と合わせて37人分の血小板が東京都血液センターに送られているが、その後の協力要請はまだない。同ルームによると、血小板は献血後4日間、赤血球は21日間、血しょうは1年間の有効期限があるという。
高校3年の娘を持つ金沢市のパート女性(43)は「被災地では親子が離れ離れになり、連絡もとれないと聞いている。今できることを少しでもしたいと思い、初めて献血に来た」と涙声で語り、交際相手を誘って訪れた同市の金沢医療センター附属金沢看護学校2年の女子学生(20)は「同じ国で起こっていることとは思えない。できることがあるなら助けになりたい」と話した。
作田和繁同ルーム所長は「今後、被災地でいつ、どのくらいの血液が必要になるかまったく分かっていない。血小板や赤血球には有効期限があり、一度に大量に献血を受けつけると善意が無になる可能性があるので、継続的に協力していただければうれしい」と呼びかけている。