映画「死にゆく妻との旅路」の先行上映が2月19日、シネマコンプレックス「ワーナー・マイカル・シネマズ金沢」(金沢市福久2、TEL 076-258-7575)など全国7館で始まった。同館では、主演の三浦友和さんと塙幸成監督の舞台あいさつがあり、三浦さんは「ご夫婦で見て、もう一度夫婦のあり方を考えてほしい」と観客に呼びかけた。
同作品は、がんに冒された妻に治療を受けさせることなく、夫婦でワゴン車の旅を続け、保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された七尾市出身の男性の手記を原作にしている。七尾警察署や旧山中町役場、宝達山、金沢市内など県内各地でもロケを行い、同館が入る金沢サティでも、三浦さん扮(ふん)する男が妻のためにスカートを買うシーンを撮影した。
舞台あいさつで、塙監督は「本を書店で手にとって一読した時は、つらすぎて映画に向かないと思ったが、視点を変え奥さんが幸せだったかと考えたら映画化できると思った。三浦さんと(妻を演じる)石田(ゆり子)さんの芝居が本当に素晴らしい。それをじっくり見ていただきたい」と、会場を埋め尽くした観客に語りかけた。三浦さんは「これが現実だったことの重さを感じている。そんなに役作りはせず、ドキュメンタリーのように見えることを目指した」と、作品に込める思いを明かした。
2人は劇場関係者から花束を受け取り、観客と記念写真に収まった。
同日、同じく先行上映を行うワーナー・マイカル・シネマズ御経塚(野々市町御経塚2)でも舞台あいさつが行われた。全国公開は2月26日から。