金沢市中心部の香林坊、片町、竪町、柿木畠、広坂の5商店街で構成する「5タウンズ」と武蔵、JR金沢駅前の各店で1月2日9時、冬物バーゲンが一斉にスタートした。この日は時折、太陽が顔をのぞかせる穏やかな天候だったこともあり、大型店を中心に、富山、福井からの遠来客や地元の若い女性らでごった返した。
各店の冬物バーゲンが同時スタートになるのは初めて。バーゲン開始を昨年より1日早め、初売りに合わせた香林坊大和(金沢市香林坊1)では、開店前から前年より500人多い約3,500人が列を作った。昨年まで2日と3日に分かれていた福袋の売り出しと冬物バーゲンが重なったことが主な理由という。特に人気を集めたのが、2階の婦人服売り場。入り口の扉が開くと、若い女性たちがわき目も振らずに目当てのショップに駆け込み、福袋と割引された冬物衣料を次々に買い求めた。地下駐車場も朝から満車状態が続き、特に富山ナンバーが目立った。
香林坊109(香林坊2)では早朝の5時30分ごろから買い物客が並び始め、8時30分ごろには約3,500人に達し、開店時間を30分早めた。安全に配慮して入場口を正面玄関のみとする入場制限を行い、列を作った客が全員、店内に入るまでに約1時間かかったという。5タウンズの竪町や片町では、衣料品店ばかりでなく、カフェなども足並みをそろえて店を開け、にぎわい創出に一役買った。
めいてつ・エムザ(武蔵町)では、特に午後から来店客が増え、婦人服や子ども服が順調に売れ行きを伸ばした。店内ではもちつきやビンゴ大会も行われ、正月ムードが漂った。金沢フォーラス(堀川新町)にも初売りの元日を上回る買い物客が訪れた。午前中は若い女性が中心だったが、午後からは家族連れの姿も増え、子ども服売り場がにぎわった。買い物客たちは福袋やショッピングバッグを何袋も肩にさげ、満足した表情を浮かべていた。
各店の担当者は「冬物バーゲン一斉スタートで好影響があった」と口々に話し、香林坊109の北野泰生支配人は「香林坊大和や金沢フォーラスで買い物をしたお客様にも来ていただいている。買い回りがしやすくなったのだろう」と顔をほころばせた。金沢フォーラスの営業担当者も「お客様の車のナンバープレートを見ると、富山、福井が多い。金沢で一斉バーゲンということで、県外のお客様に対するアピールになったのでないか」と、手ごたえを感じとる。5タウンズの池田広喜販促委員長は「エリア間での取り合いではなく、一緒になって金沢に多くのお客様を呼び込めた。大成功だ」と声を弾ませた。
一方、金沢百番街(木ノ新保町)はトレンド館が昨年10月末で閉館したため、バーゲンを行わなかった。