フランスの家庭料理・地方料理を提供する「ビストロ ウールー」(野々市町、TEL076-294-0093)は、店内の水耕栽培施設で育てた葉物野菜をサラダや料理の付け合わせに利用している。同店によると、「『地産地消』ならぬ『店産店消』の試みは、県内のレストランでは初めて」という。
水耕栽培施設は有機肥料を入れた水道水を循環させ、葉物野菜を育てるシステム。太陽光の代わりにLEDライトの光を当てて光合成を助けることから、屋根のある店舗の中で利用することができる。苗植えから収穫まではほぼ1カ月で、農薬は使用しない。導入した東京のレストランが全国ニュースで採り上げられ話題になっていることを知ったオーナーの久田康博さんが11月、店を改装して一度に約570株を栽培できる横4メートル、奥行き1.2メートル、高さ2メートルの大型と、約70株用の小型の2台の施設を設置した。
育てているのは、サラダホウレンソウ、サラダ小松菜、京水菜、レタス、リーフレタス、チンゲン菜、ルッコラ、レッドウェーブ、吹立菜(ふきたちな)の9種類。久田さんが毎朝、成長具合を見て収穫し、ランチとディナーのサラダ、肉料理などの付け合わせとして使っている。
施設はテーブル席の横とレジ近くに置いているため、来店客は日々成長する野菜を見ながら、食事を楽しんでいる。
久田さんは「水菜は歯触りが良く、リーフレタスは苦味が全然ないうえ、味がしっかりしていてサラダに使いやすい。常連客の方にも『来る度に育っているので面白い』と好評」と話す。
営業時間は、ランチ=11時30分~14時30分、ディナー=18時~21時30分、バー=24時~翌3時ごろ。12月中は無休。1月以降は月曜定休(ただし祝日の場合は営業し、翌日の火曜が休み)。