金沢・竪町ストリートに11月23日、リサイクル図書館「タテマチ文庫」(金沢市片町1)がオープンした。不用になった本を持ち込むと図書館の本と無料で交換できる仕組みで、利用者の輪が広がっている。
同文庫を開設したのは、地元の企業経営者や文化人らを講師に迎え、若者らが学ぶ場を提供している「タテマチ大学」を主宰するNPO法人金沢マチナカ大学。「大学には図書館がつきもの」と考え、大学の建物内で、経費も利用料も必要なく運営できる「リサイクル図書館」としてスタートさせた。
文庫は10月2日、同NPOスタッフと友人、知人から寄付を受けた約1,500冊の蔵書でオープン。その後、寄贈者が増え、現在は文庫本や単行本、ハードカバーなど約2,000冊を所蔵する。分野は、小説、ノンフィクション、ビジネス書、伝統工芸、環境・社会、歴史・地理、政治、経済、美容、健康、旅行ガイドなど多岐にわたる。
不用になった本を持参すれば、査定の上、ポイントが付与され、獲得ポイントに応じて図書館から希望の本を持ち帰ることができるシステム。利用者数は延べ約3,000人に上っている。
責任者の米山宏さんは「大学の授業、部活動の参加者は20歳代が85%だが、文庫に本を持ってくる人は中高年の方が多い。違った世代同士の交流につなげられればうれしい」と期待を込める。
同NPOは11月12日、小松市内で2館目のリサイクル図書館「こまつ町家文庫」もオープンさせた。タテマチ文庫とこまつ町家文庫では、本の寄付を募っており、金沢市、内灘町、津幡町、野々市町であれば出張引き取りも行う。出張引き取りの連絡先は専用番号(TEL 080-1968-1039)まで。今後、対象エリアを小松市と周辺にも拡大する予定。
タテマチ文庫の開館時間は11時~20時。火曜・水曜休館(祝日の場合は開館)。