輪島漆塗のヘルメット、フランス「ルマン・クラシック」にデビュー

「ルマン・クラシック」でデビューする輪島漆塗りヘルメット

「ルマン・クラシック」でデビューする輪島漆塗りヘルメット

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 輪島塗の漆器メーカー「加波次吉漆器店」(輪島市河井町、TEL 0768-23-1193)が手がける輪島漆塗りのヘルメットが7月、フランスで開催される24時間耐久自動車レース「ルマン・クラシック」でデビューすることになった。

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 同ヘルメットをかぶるのは、大阪でスーパーカーやヒストリックカーを専門に扱うショップ「スクーデリア・フォルム」の代表でドライバーの小嶋禎一さん。小嶋さんは、これまで海外でレースを重ねる中で「自分が『日本人』としてではなく、アジア人としてしか見てもらえないのが歯がゆい。日本特有の素晴らしさを海外にアピールしたい」との思いから、今年4月、以前に自転車用漆塗りヘルメットを手がけた同店の加波基樹さんに製作を依頼した。

 同レースは、伝統の「ルマン24時間レース」の復刻版として2002年に始まり、2年ごとに開催されている。アルファロメオ、BMW、フェラーリ、ジャガー、ランボルギーニ、ランチア、マセラッティ、パナールなど、150ものクラブがブランドごとに集合することから、自動車愛好者に広く知られるようになり、エントリーの希望者は年々増え狭き門となっている。

 加波さんは、小嶋さん愛用の「スタンド21」のフルカーボンヘルメットに漆塗りを施した。製作過程で苦労した点について「漆を塗る面積が球体で大きいため、きれいに塗り上げるのにごまかしがきかない。レース用にいかに軽量化するかを考えた」と話す。漆塗りならでは蒔絵(まきえ)について、小嶋さんの「あっと驚く日本の技術を見せたい。後世に残るものを」との要望を受け、古典的なチョウの文様を和モダンで描いた「群蝶蒔絵」に仕上げた。「ヘルメットとして違和感のないものでありながら、ヘルメットらしからぬ工芸美のあるデザインを考えた」と話す。

 漆塗りの新たな商品価値を積極的に開拓する加波さんは「今後も、かっこいい漆塗りのスタイルを目指したい。今回のヘルメットも、製作中はどのように評価されるか不安もあったが、200%納得のいく出来栄えとなり自信が持てた。フランスでどのような評価を受けるか今から楽しみ」と期待を寄せる。

 同ヘルメットは受注生産のため、価格はその都度の見積もりになるという。

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