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インクジェットでビンテージ風デニム-平松産業に「石川ブランド」銀賞

プリンターから出力される1着分のパーツ(同社提供)

プリンターから出力される1着分のパーツ(同社提供)

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 合繊織物染色整理加工の「平松産業」(能美市)はインクジェット印刷で1950~1960年代のビンテージデニムを再現する技術を開発し、「リー・ジャパン」(東京都荒川区)に採用された。同技術は県産業創出支援機構が選ぶ本年度の「石川ブランド優秀新製品」生活産業部門の銀賞に輝いた。

1着分のパーツを印刷した布

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 この製品は「次世代デニム ルストマックス」。パーツごとに分解したビンテージデニムを高性能スキャナーで読み取り、色の濃淡を調整したうえでインクジェットマシンを使って木綿生地に印刷、縫製工場でジーンズやミニスカートとして仕立てる。太陽の光に当たらず、退色しないポケット内部は色を濃くし、ポケットは修理したように見せるため、あえて本来の場所からずらして縫い付けて本物らしく見せる工夫を凝らす。

 高額のビンテージデニムにあやかり、石を使って洗ったり、研磨機にかけたり、薬品でしわをつけたりして色落ちさせ、わざと生地を傷めた「ビンテージ風デニム」が人気を集めていることから、印刷技術を使って特殊加工なしで再現する方法を考案。リー・ジャパンに持ち込んだところ、「面白い」と評価を受け、同社が「地球に優しい新デニム」として売り出すことが決まった。

 完成した製品は昨年末から全国各地の百貨店や専門店、海外で「Lee/kurkkuプロジェクト」商品として、ジーンズ1本1万6,000円前後で販売されている。量産初年度の昨年は2万本を出荷した。今年は7月ごろから10万本を生産する。同様のデザインのスキー・スノーボードウエアも製造し、来シーズンにヨーロッパのスキーウエアメーカーから発売する予定。

 「石川ブランド優秀新製品」は、同機構が県内の中小企業が開発した新製品のうち、優秀だと認めた製品に対して贈る称号で、このうち特に優れたものが金賞、銀賞、銅賞として表彰される。

 同社の北市幸男常務は「ビンテージ風デニムの製造現場は水をたくさん使ううえ、作業環境も悪い。ルストマックスはエコ商品であることと、他ではできないところに目を付けたことが評価されたのでは」と受賞の喜びを表す。

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