日比野克彦さんが新作「種は船」を披露-金沢21世紀美術館

新作「種は船」の前に立つ日比野さん

新作「種は船」の前に立つ日比野さん

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 アーティストの日比野克彦さんの新作「種は船」が9月29日より、金沢21世紀美術館(金沢市広坂1、TEL 076-220-2800)で展示されている。

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 新作は日比野克彦アートプロジェクト「ホーム→アンド←アウェー」方式の一環として制作された。同プロジェクトは、美術館を港として、作品が作られる造船所(DOCKYARD)、人や情報が行き交う桟橋(PIER)、道しるべとしての灯台(LIGHTHOUSE)をキーワードに、ボランティアスタッフである「明後日(あさって)新聞社金沢支局」社員らが活動を展開している。

 新作の一部は「造船所」である同館プロジェクト工房で8月より制作され、同館展示室13で公開されている。日比野さんは、新潟県莇平で2003年に朝顔を地元住民とともに育てたのを機に、全国各地で地元住民とともに朝顔を育てて種を収穫する「明後日(あさって)朝顔プロジェクト」を継続して展開しており、プロジェクト参加地域間の交流も進めている。日比野さんが「朝顔に教わったことを姿かたちに表した」という新作は、種をイメージした段ボール製の船で、「種は記憶や思いを運ぶ船である」とのコンセプトをもとに制作された。

 莇平で獲れた種42粒と2007年に金沢で花を咲かせた朝顔から収穫された種57粒を描いた99の種の絵が壁面に張り巡らされた展示室13には、「種は船:明後日丸」「種は船:金沢丸」「種は船:莇平丸」の3作品が置かれている。作品には、莇平で使われている朝顔のロープや2006年に同地で収穫した朝顔のつるを使用している。明後日丸は内部に人が入れるようになっており、段ボールは防水加工され、水面に浮かべる計画がある。金沢丸と莇平丸は開口部から内部が見える作りになっている。内部には枯れた朝顔のつるが敷き詰められ、灯台の模型が灯りをともし、壁面には地図が描かれている。

 すべてのものをつなげる水と「桟橋」をイメージした長期インスタレーションルームは、川をモチーフに岐阜県美術館で制作された貼り絵で壁と床面が埋め尽くされ、中央に橋がつり下げられている。各地の情報が船に乗って桟橋に集まる様子が表わされており、同室では「明後日朝顔プロジェクト」を展開する各地の情報が入手できる。

 開場時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。月曜、12月25日、1月15日、2月12日、年末年始(12月29日~1月1日)休場(10月8日、12月24日、1月14日、2月11日は開場)。展示室13は同時開催中のコレクション展との共通観覧券が必要。会期は2008年3月20日まで。

金沢21世紀美術館 日比野克彦アートプロジェクト「ホーム→アンド←アウェー」方式

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