無名塾と七尾市民が共演し、七尾生まれの絵師長谷川等伯の生涯を描く合同公演「等伯 反骨の画聖」が今年7月、同市の能登演劇堂(七尾市中島町中島、TEL 0767-66-2323)で行われる。これに先駆け、出演者を選考するためのオーディションが4月18日に同所で行われ、市民ら8人が舞台に懸ける思いを審査員にアピールした。
能登演劇堂での無名塾公演では、市民らがせりふのないエキストラを務めたことはあるが、役者として共演するのは初めて。今回の出演者募集には、七尾市をはじめ内灘町、小松市から看護師や農家、定年退職者、市民劇団の団員ら12人の応募があり、選考には34~65歳の男女8人が参加した。
8人は公演の演出・山本弘人さんらの審査員3人を前に、台本を見ながら劇中でナレーション役を務める学芸員と、弟子の1人になりきってせりふを読んだ。審査員はこれまでの演劇経験や長所について次々と質問し、参加者は「短大で演劇研究部に所属し、その後、舞台の道に進みたかったが、一人っ子のため七尾にいなくてはならなかった」「昨年仕事を退職し、ときめきを求めてやってきた」などと熱っぽく語った。
公演には、無名塾の役者7人を含む約20人が出演する予定で、応募者全員が舞台に立つことができる。審査員はオーディション終了後、早速検討会を開き参加者の配役を決めた。今月末ごろ、本人に結果を通知する。
市民らのけいこは6月初めからスタートし、同月下旬以降、能登入りする役者陣との合同練習が行われる。
同公演は同市などが作る「長谷川等伯没後400年記念事業実行委員会」が主催。七尾生まれの等伯が30歳代で京へ上り、豊臣秀吉から直々に仕事を依頼され、「天下の絵師」として一世を風靡(ふうび)していく姿を描き出す。国宝「松林図屏風」に込められた思いも解き明かす。等伯役は無名塾の赤羽秀之さんが演じる。
公演は7月8日~11日。入場料は3,000円(全席自由席)。前売り券は5月中旬ごろから、同市文化振興課や県七尾美術館、能登島ガラス美術館などで販売する。問い合わせは同委員会(TEL 0767-66-2325)まで。