鍋料理のベースとして石川県を中心に人気の高い「とり野菜みそ」を製造・販売する「まつや」(かほく市)がこのほど、万能使いできる「とり野菜みそだれ」を発売した。
「とり野菜みそ」は、大豆と米麹(こめこうじ)から作る家庭みそを基本に、「現代人の好みに合わせて」香辛料などを混ぜ合わせた調味みそ。肉・魚・野菜によく合うことから、鍋以外にも料理の隠し味として親しまれ、スーパーで販売されてからは口コミで広まり人気商品となった。現在ではコンビニエンスストアでも、おにぎりやうどん、雑炊、丼などと組み合わせた商品展開を行っている。
同県でのみそ鍋のルーツは江戸時代までさかのぼる。当時の当主・松屋和平が北前船の廻船(かいせん)問屋を営んでいたころ、「厳しい航海を乗り切るためには、船上で栄養価の高い食事を摂らせることが必要」と自ら考案し調合したのが「とり野菜みそ」の原形。そこに魚や野菜を入れて鍋で煮込んだところ、船乗りたちに喜ばれたという。1959(昭和34)年の創業時、野菜や栄養をたっぷり摂れるという意味から「とり野菜みそ」とネーミングした。
同社では、冬の鍋シーズン以外の販売拡大を目指し新商品の開発を進めてきた。「『とり野菜みそ』の風味を保ちながら、子どもからお年寄りまで幅広い世代に受け入れられるよう工夫した」と開発担当者。焼き肉・しゃぶしゃぶ・ステーキのたれや、野菜いため・きんぴら・焼きうどんなどの味付け、サラダや豆腐のドレッシングなど、「つける、いためる、かける」と、アイデア次第でさまざまな使い方を楽しめる万能だれとしての需要を見込む。
内容量は200ミリリットルで、価格は525円。