8×10の名機で撮り下ろし-暗室仕上げの空気感伝える写真展

名機ディアドルフで撮影された苗加さんの作品

名機ディアドルフで撮影された苗加さんの作品

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 金沢市在住の写真家、苗加和毅彦さんの写真展「scene of deardorff」が8月2日より、ギャラリートネリコ(金沢市池田町、TEL 076-231-2678)で始まった。

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 同展では、ハンドメイドの高級ウッドビューカメラ(木製暗箱)として知られるディアドルフ8×10(エイト・バイ・テン)で撮り下ろしたモノクロ作品30点が展示されている。同機は、アメリカの職人ディアドルフ氏の引退とともに製造が中止された名機で、レンズを取り付けたレンズボードを蛇腹の伸縮によって動かし、焦点を合わせるシンプルな構造を持つ。

 苗加さんは、スタジオに点在する被写体の表情をディアドルフでとらえ、手焼きによるゼラチンシルバープリント(銀塩写真)で表現。暗室での最終仕上げまで自分で行った。プロラボの暗室マンを3年間務めたことをきっかけに渡米して撮影技術を学んだ苗加さんにとって、手焼き作業はまさに原点。デジタルカメラ全盛の現代では大判フィルムや感材の入手が困難になっており、暗室の中で自分のイメージを紙に焼き付ける「銀塩の世界」を今のうちに表現しておきたかったという。

 苗加さんは「明室で最終仕上げを行うデジタル写真では表せない微妙な質感やトーン、奥行きが暗室の作業では表現できる。真っ白なギャラリーで、アナログなモノクロームの世界を感じてもらえると思う」と話している。

 開廊時間は10時30分~18時30分。8月7日まで。

ギャラリートネリコBOW STUDIO(苗加和毅彦)

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