金沢市内の書店に7月6日夕方、白衣姿にプラカードをぶら下げた男性2人が姿を現した。

著書のPRのためリブロ金沢店を訪れた黒岩将さん

　2人はITベンチャー企業「ホープフル・モンスター」の社長で、奈良先端科学技術大学院（奈良県生駒市）の博士課程の学生黒岩将さんと、その相棒の武田康臣さん。6月に出版された黒岩さんの著書「出稼げば大富豪―貧乏博士課程の目指せ！金持ち修業日記」（KKロングセラーズ）をPRするため、現在「全国書店行脚の旅」と称するキャンペーンを行っており、これまで奈良、京都、神戸、名古屋、広島、東京などを回っている。これまでに訪れた書店は120を越えるという。

　ホープフル・モンスター社は昨年5月設立。情報科学を基にした婚活支援システムなどの開発販売を手がけるも、「1年目の年商は29万円」（黒岩さん）。倒産の文字が頭をよぎるころ、知人の誘いで訪れたバリ島で日本人の大富豪、通称「兄貴」に出会い、黒岩さんの運命が変わった。兄貴の考え方や行動に大きな衝撃を受けた黒岩さんは弟子入りを志願。兄貴の快諾を受けてバリ島で1カ月間行動を共にした。著書は兄貴とのエピーソードをつづり、そこから黒岩さんが学び取ったことを「ハイスピード理論」「隣人に幸あれ理論」「感謝の達人理論」など24の成功理論にまとめている。

　この日はアポなしで書店数店を訪問し、メッセージ入りの色紙を手渡すなどして著書をPRした。黒岩さんと武田さんは移動中も「貧乏博士課程」「ほぼノンフィクション作家」などと書かれた白衣を着用。自転車を借りるため立ち寄ったレンタサイクル店ではレンタルを渋られるシーンもあったが、その後訪れた書店ではスタッフに頼まれて記念撮影も。その場に居合わせた客からも、「頑張って」と激励を受けた。「冷ややかな目で見られることも少なくありませんが、金沢の人は温かいですね」と黒岩さんは笑顔を見せた。

　同書の価格は1,680円。第2弾の発売も予定している。出版に関連して、近畿日本ツーリストが「バリ島特別ツアー」を企画しており、現在2次募集が行われている。