多くの種類の料理を小皿で楽しめる中華料理店「SHENG(シェン)」(金沢市鞍月3、TEL 076-268-3071)が3月13日にオープンし、地元客の人気を集めている。
同店は、内灘町出身の兄妹が幼い時から「一緒にレストランをやりたい」と夢を実現し開店した。兄の濱口裕文さんは長年中華料理の修行を積んだ後、フランス料理店での経験も持つシェフ。妹の奈々さんはレストランのオーナーになりたいと、金沢の老舗割烹や台湾料理店で働き経験を積んだ。
店舗面積は25.4坪で、ソファ席、小上がり、カウンター、テーブル席など合わせて30席を用意する。店内は、奈々さんが自らの足で探し買い求めたインテリアでまとめた。広東料理を専門としていた裕文さんだが、開店にあたってメニューの中心に据えたのは興味を持ち続けていた四川料理。東京で食べ歩くなどして自分なりのイメージを固めたという。
看板料理は「SHENG自慢の麻婆豆腐」(650円)、「名水ポークのBlackダイヤモンド(酢豚)」(750円)、「元気野菜のスチーム」(550円)。いずれも典型的なメニューでありながら、独自の味付けで既にリピーターも多いという。料理の仕上がりは、フレンチのエッセンスが漂う「ヌーベルシノワ」のスタイル。素材へのこだわりも強く、野菜は腕利きシェフらに人気の「亀田農園」(石川県内灘町)から仕入れるほか、富山県黒部市内の養豚農家4軒が厳選して出荷するブランド豚「黒部名水ポーク」も取り寄せている。少人数でも多くの種類を楽しんでほしいと小皿料理を中心に、ご飯ものや麺類もハーフとレギュラーの2サイズを用意した。
奈々さんがこだわるドリンクの中で、人気は中国茶。ポット単位で「鉄観音茶」「龍井(ろんじん)茶」「ライチ茶」の3種(400円)から選ぶことができる。アルコールには、「トマト焼酎」(480円)や「ジャスミン焼酎」(450円)などの変わり焼酎や、映画「しあわせのかおり」で主人公が中国まで探しに行った「甕(かめ)出し紹興酒」(400円)を特別に仕入れる。「食事に合わせていろいろなお酒を楽しんでほしい」と奈々さん。
兄妹での共同経営について二人は「互いの性格や個性はとことん知り尽くしているので、ある意味、夫婦で一緒にやるより楽」と口をそろえる。店名の「SHENG」は中国語で「おもてなし」の意味。二人は「この店でしかない味と空間で、心づくしのおもてなしを提供したい」と意気込みをみせる。夜の客単価は約2,500円。
営業時間は11時30分~14時30分、18~24時。火曜定休。