中央公民館長町館(金沢市長町2)で2月19日、「冬にぴったりのあたたまる料理」をテーマに各国の料理を紹介する全4回シリーズ企画の第3弾として「世界のあったか料理・ベルギー編」が開かれた。金沢市国際交流員のボックラント・ソフィーさんが講師を務め、参加者20人がベルギーの冬の味覚を親しんだ。主催は金沢国際交流財団(金沢市本町1)。
ベルギーのゲント市出身のソフィーさんが家庭料理として紹介したメニューは、「チャービルスープ」「フランダース風のキッシュ」「チコリーサラダ」「マーブルケーキ」の4品。お菓子づくりが趣味というソフィーさんが、得意のオーブン料理を中心に家族から受け継いだ故郷の味を説明した。参加者のひとりは「キッシュはお店などでよく注文するが、自分で作り方をマスターしたい」と熱心に取り組んだ。
「チャービルスープ」は、ハーブの1種「チャービル」を使ったベルギーの一般的な料理。チーズとソーセージで仕上げ、パンとともに食べる。「フランダース風キッシュ」はバターと小麦粉・卵黄などを混ぜ合わせた生地を冷蔵庫で寝かせる間に、長ネギ・ブロッコリー・ハムなどの具を仕込み、焼き上げる風味豊かなオーブン料理。「チコリーサラダ」は白菜のミニチュアのような形状の野菜「チコリー」の独特の香りを楽しみ、エンドウ豆とともにマヨネーズで和える。マーブルケーキにはベルギーでは一般的な「バニラシュガー」を使い、バターの風味と相まって教室は芳醇でぜいたくな香りに包まれた。1時間かけてじっくりとオーブンで焼き上げたケーキの仕上がりは、ココアパウダーを混ぜた断面がマーブル状となり美しい。
ソフィーさんは「父は料理上手なのでいろいろ教わりながら、よく料理やお菓子づくりをしていた。今回のサラダのレシピはおばあちゃんのもので、いろいろ試してみたがこのレシピが一番」と笑顔で紹介する。
ベルギーの食生活について、参加者から「バターを多く使うのに驚いた。メタボ対策はしないの?」と質問されると、「最近はベルギーでも脂肪分を気にするようになり、低脂肪のバターやオリーブオイルを使う人も増えた」としながらも、「でも、やはりバターの風味と味は格別」とベルギー人らしさも。
交流員として3年を経験したソフィーさんは、日本の食文化について「来日当初は量も物足りず味付けも違和感があったが、今ではすし・天ぷら・刺身などもとてもおいしく好きになった」と日本食を気に入っている様子を見せる。
同財団の蔵美紀さんは「このシリーズは好評でいつも抽選になるほど。シリーズを通しての参加を希望する方もいらっしゃるので関心が高いと実感している。交流員を通して、国際理解と交流を深める機会を今後も積極的に提案したい」と話す。
同講座の最終回「アメリカ編」は、3月8日の開催を予定する。