石川で「真の日本」伝えるもてなしを-海外からの誘客に向け国際会議

食について語る出席者。左から茂木さん、海豪さん、和服姿のロマーノさん、徳岡さん、高木さん。

食について語る出席者。左から茂木さん、海豪さん、和服姿のロマーノさん、徳岡さん、高木さん。

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 本物志向の人々の価値観を探り、海外富裕層の誘致を図るフォーラム「第1回ラグジュアリーライフスタイル国際会議」が2月14日、旅行業界や飲食業界の国内外のキーパーソンらを招き石川県立美術館(金沢市出羽町2、TEL 076-231-7580)で開催された。

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 同フォーラムは「The Real Japanいしかわプロジェクト推進協議会」(駅西新町3)が主催。藤舎真衣さんによる横笛演奏で幕開け、同協議会代表の朽木浩志さん、谷本正憲石川県知事に続き、観光庁の本保芳明長官があいさつ、国内外からのゲストが参加者とともに「ラグジュアリー」な旅や食、ライフスタイルについて話し合い、石川県での受け入れ態勢や心構え、今後の取り組みについて理解を深めた。

 「エコラグジュアリー」を提唱するエンリコ・デュクロットさん、世界的高級リゾートホテルチェーン「シックス・センス・リゾート・アンド・スパ」を展開するソヌ・シヴダサニさんは映像を交えながらそれぞれの実践の様子を紹介し、脳科学者の茂木健一郎さんがモデレーターを務めた。

 デュクロットさんは「ラグジュアリー」という言葉について、原義であるラテン語の「他のものより美しく貴重で、称賛を呼び起こすようなもの」という意味で受け止めていると述べ、持続可能な地域経済、環境維持、高品質のツーリズムを同時に推進するプロジェクトについて、イタリアやボツワナなどでの実例を挙げながら説明した。シヴダサニさんは、SLOWLIFEのぞれぞれのアルファベットが頭文字になる「持続性(sustainability)」「地域性(local)」「オーガニック(organic)」などをキーワードに、二酸化炭素除去などの環境保全の取り組みやロケーションを生かしたもてなしについて語った。

 「食とラグジュアリーライフスタイル」と題したパネルディスカッションでは料理研究家の海豪うるるさんがコーディネーターを務め、レストラン「ユニオンスクエアカフェ」総料理長兼共同経営者のマイケル・ロマーノさん、京都吉兆嵐山本店総料理長の徳岡邦夫さん、金沢の日本料理店「銭屋」(片町2)社長の高木慎一朗さんがパネリストとして参加。日々調理場で腕を振るう3人は、食材の入手から接客に至るまで、どのような点に心を砕き、何を最上のぜいたくと考えているのかについておのおのの思いを語り、食と空間を提供する立場としてのもてなしの在り方について議論した。

 各ゲストは、異口同音に「ラグジュアリー」とは金銭的な豪華さや高級感ではなく、得がたい体験や心の安らぎ、感動を味わえることを表すとの意見を述べ、石川県での「真のもてなし」に向けた今後の取り組みに期待をにじませた。

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