能登半島地震からの復興を願う特別展「ひと、能登、アート。」のトークセッションが11月30日、石川県立美術館(金沢市出羽町2)で開かれた。
俳優の常盤貴子さんと珠洲焼作家の篠原敬さんが登壇し、約200人が来場。「いつも、“能登の”そばに」と題し、常盤さんがこれまで能登で撮影した写真や、地震で崩れた珠洲焼窯の再建プロジェクトの取り組みなどを紹介した。
常盤さんは、NHK連続テレビ小説「まれ」の撮影をきっかけに能登との交流を深め、地震発生直後から支援活動を行っている。能登を訪れる際に、被災者の負担にならないよう、災害時の知識を身に付けるため、防災士の資格も取ったという。篠原さんとの交流も震災前から続いており、被災した窯の再建などを後押ししてきた。
常盤さんは「能登は人の温かさが違う。自分が穏やかにいられる大切な場所。能登で人や自然に触れ、また頑張ろうと思える。まだ故郷に帰れない人もいる。能登のことを一緒に話せる場所があればいい。外にいるからこそできることがある。これからもたくさんの方とコンタクトを取り続けていきたい」と話す。
篠原さんは「地震で気付いたことがたくさんある。珠洲の土がよりいとおしくなった。ふるさとを再発見するチャンスをもらった。改めて、珠洲焼や珠洲の良さを発信していきたい。能登の人は明るく、受け止める力がある。被災した立場だから言えるが、チャンスだと思って、前向きに頑張っていきたい」と述べた。
特別展「ひと、能登、アート。」は、能登復興への趣旨に賛同した東京国立博物館など30の美術館から集まった約80点の文化財を同館(今月21日まで)のほか、金沢21世紀美術館(広坂1)、国立工芸館(出羽町3)で展示する。