旅館「つる幸」と日本料理店「つる幸 知新庵」(金沢市高岡町)が11月7日、玉川公園近くにオープンした。
運営は石川県内で旅館「百楽荘」を展開するプリスリゾート(湯涌荒屋町)。1965(昭和40)年に開業し2018(平成30)年に閉店した「懐石つる幸」の跡地を取得。1階に同店の茶室を移設するなど3年かけて改修した。温故知新をコンセプトに同店の屋号を使う。
客室は4室で、いずれも面積は90平方メートル以上。1階に1室と2階に2室、蔵を改装した離れに1室を設け、全室に九谷焼作家の四代・徳田八十吉さんらが客室のために制作した伝統工芸品を展示。数寄屋造り風のダイニングのほか無量寺温泉の湯を使う露天風呂を備える。ダイニングでは、料理人が目の前で仕上げた日本料理を提供する。2人1室あたりの宿泊料金は10万円~(1泊2食付きは1人=10万円~)。
併設の「つる幸 知新庵」は18時から宿泊客以外の夕食の利用も可能。3月中旬まではカニを使ったコース(1人=4万9,500円~)を用意する。要予約。
総支配人の熊谷穂乃美さんは「金沢は観光地でありながら、富裕層のニーズに応えられるラグジュアリーな宿泊施設が少ないのが弱点。『懐石つる幸』が持っていた趣を生かし、金沢の歴史や食、文化を伝えることが観光に携わる者としての使命。一生に一度の感動を届けたい」と話す。