
寺の本堂や境内でアート作品を展示する芸術祭「oterart金澤(オテラートかなざわ) 2025」が金沢市内の寺院で始まった。
主催は寺院を中心に構成する「oterart金澤2025実行委員会」。15回目となる今年は、昨年より1地区1会場増えた4地区9会場に作家や学生など合わせて65組の作品を展示する。テーマは「三千大千世界」。仏教の世界観に基づく「全宇宙」を表現する言葉だという。カフェが出店するほか雑貨などを販売し、ワークショップやパフォーマンスなどのイベントも行う。
会場の一つの廣誓寺(金沢市昌永町)には、画家の倉林雅幸さんが「月の眼差し(まなざし)」を展示。寺の入り口いっぱいに広がる作品で、ろうけつ染めなどを用いている。倉林さんは「布越しの光や外の音も作品の一部として楽しんでほしい」と話す。
実行委員長で聞善寺(瓢箪町)住職の今井優悲さんは「子どもも大人も楽しめる地域の芸術祭。畳でゆっくりと過ごしながら、作家が表現するそれぞれの『三千大千世界』を感じてほしい」と来場を呼びかける。
会期は2部制。現在は前期で、浅野川地区と東山地区の4カ寺で9月28日まで。後期は9月27日から、小立野地区と寺町地区の5カ寺で開催する。10月5日まで。9月27日には、長久寺(寺町5)で能登ドキュメンタリー「先に棲(す)む」の上映会と同作監督の森義隆さんによるティーチインを行う。17時開始。
前期後期とも開催時間は13時~18時(10月5日は17時まで)。入場無料。