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金沢で演奏会「チュルリョーニスへのオマージュ」 リトアニア芸術に触れる

演奏を披露するリトアニア出身で金沢在住のジドレさん(左)とダニエリス・ルビナスさん

演奏を披露するリトアニア出身で金沢在住のジドレさん(左)とダニエリス・ルビナスさん

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 コンサート「チュルリョーニスへのオマージュ~日本海に打ち寄せるリトアニアの芸術~」が10月1日、石川県立音楽堂(金沢市昭和町)で開かれる。

石川県立音楽堂で開かれるコンサート「チュルリョーニスへのオマージユ~日本海に打ち寄せるリトアニアの芸術~」

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 リトアニアを代表する芸術家で作曲家のチュルリョーニスの生誕150周年を記念した同コンサート。在日リトアニア共和国大使館、リトアニア文化協会、金沢とリトアニアをつなぐ会が主催。オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)のメンバーや国内の演奏家が、チュルリョーニスの楽曲やリトアニアの民謡などを演奏する。金沢児童合唱団「エンジェルコーラス」の子どもたちもコーラスで参加する。

 チュルリョーニスは35歳という短い生涯の中で、象徴主義に基づいた独自の芸術表現を確立し、約400曲の楽曲と約300点の絵画作品を残している。今年は生誕150年を記念し、世界各地でさまざまなプログラムを開催。日本では大阪・関西万博でのリトアニアの「ナショナルデー」で特別コンサートが行われたほか、来年3月からは東京・上野の国立西洋美術館で、絵画作品を集めた「チュルリョーニス展」も予定されている。金沢でのコンサート当日には、チュルリョーニスの複製絵画15枚も展示する。

 リトアニアは北ヨーロッパのバルト海東岸に位置する国の一つ。金沢とリトアニアをつなぐ会によると、金沢でのコンサートは、オーレリウス・ジーカス駐日リトアニア大使が金沢大学に留学経験があることや、約300人しかいない日本在住リトアニア出身者のうち2人の演奏家が金沢に住んでいることなどから実現したという。

 リトアニア出身のダニエリス・ルビナスさんは、2018(平成30)年からオーケストラ・アンサンブル金沢でコントラバス首席奏者として活動。「コンサート当日が待ち遠しい」と話す。

 コンサートの芸術監督も務めるバイオリニストのジドレさんは金沢に住んで7年目。金沢ナイトミュージアムでの演奏や、金沢市内の小学校で児童と交流し、リトアニアの文化を広める活動をしている。来日当初は日本語が全くできなかったが、今では多くの友人ができ、音楽を通じて交友関係も広がったという。ジドレさんは「歴史と文化の伝統を持つ金沢で公演できることがうれしい。両国の文化的つながりを深めたい」と話す。ジドレさんによると、34年前に旧ソビエト連邦から独立したリトアニアにとって、チュルリョーニスは国立音楽学校の名称に冠されるなど、特別な存在だという。「『歌声の革命』と言われ、血を流さない独立を実現した。歌で自国の文化を広めてきた歴史がある。そこで歌われたのも、チュルリョーニスの代表曲『歌のなかの歌』。毎年6月に開かれるリトアニアの歌の祭典で必ず最初に演奏される曲で、今回のコンサートでもオープニング曲として披露する」と話す。

 当日は、チュルリョーニスのほか、バルシス、ゲルマナヴィチウス、ガリャモーヴァといった世代の異なるリトアニア作曲家の楽曲も演奏し、ピアニストで作編曲家の福本純也さんの新しい編曲による民謡メドレーなども予定する。

 19時開演。料金は2,000円(高校生以下は1,000円)。

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