
移転開館5周年記念「ルーシー・リー展-東西をつなぐ優美のうつわ-」が9月9日、国立工芸館(金沢市出羽町)で始まった。
同展では、2023年に大阪の実業家、井内英夫さんのコレクションから寄託された19点全ての作品を含む69点のルーシー・リーの作品を展示するほか、作陶に影響を与えた作家の作品も展示する。
ルーシー・リーはオーストリア生まれの女性陶芸家で、ウィーン工芸美術学校で学んで陶芸の道へと進み、ナチスからの迫害を避けて英ロンドンへ亡命。日本でも作陶したバーナード・リーチや、個性的な造形を特徴とするハンス・コパー、英国でも作陶した濱田庄司などの作家たちとの出会いによって作風が変化していった。
会場ではこの作陶の変化を、それぞれの時代で順を追って構成して展示する。土の素材感を生かした東洋的な作品や、繊細で優美な造形にピンクやブルーなど鮮やかな色を合わせた作品など、変化に富む作風を俯瞰(ふかん)できるようにした。
同館工芸課長の岩井美恵子さんは「ルーシー・リーの作品は、国内では1989(平成元)年に三宅一生が紹介したことで人気に火がついた。近年では特に女性を中心にファンが増えている。会場では照明にもこだわっているので、より美しく見られるはず」と話す。
開館時間は9時30分~17時30分。月曜休館。入館料は、大人=1,200円、大学生=800円、高校生=500円。11月24日まで。