「カナザワ映画祭2008フィルマゲドン」が9月12日に開幕し、オープニングとして「ヤコペッティの世界残酷物語」が新天地商店街広場（金沢市片町2）で野外上映された。

　同作品は1962年のイタリアのドキュメンタリー。2年間にわたるロケから、世界中の奇異な風習を撮影したセピア色の映像が印象的な作品で、事実のみが持つ迫力に満ちた映像に、封切られた当時は全世界でセンセーションを巻き起こしヒットした。

　秋の虫声が響く中、ビールを片手に約150人の来場者が一夜の野外映画館に訪れ、衝撃的な映像に見入った。上映前には飛び入りで、映画祭にゲスト出演するため来日したハリウッドの映画俳優クリスピン・グローヴァーさんが恋人とともに現れ、大きな拍手と歓声に包まれた。グローヴァーさんは片言の日本語であいさつし、自ら監督したスライドショーについてもPRしたほか、岩手・宮城内陸地震復興のための募金活動も行われた。

　期間中、金沢市内の映画館などで日本初公開7作品を含む全20本を上映する。今年の映画祭は「実話」をテーマに、世の中で起きている問題を考えたいと「かなざわ映画の会」が主催し、うち5作品はボランティアの学生が字幕を付けた。

　この後の上映は、金沢21世紀美術館「シアラー21」、「シネモンド」、「駅前シネマ」の各会場。チケットは金沢21世紀美術館ミュージアムショップやシネモンドのほか、同会サイトでも取り扱う。開催は今月19日まで。