金沢市在住の陶芸家・稲積優佳さんの陶展「天空の記憶」が4月14日から、ギャラリートネリコ(金沢市池田町、TEL 076-231-2678)で開催される。
稲積さんは石川県立九谷焼研修所で九谷焼の伝統技法を修得した後、金沢市内に「うつつ窯」を開いた。今回は、器や壁掛け、オブジェなどを出展する。生地は九谷焼に使われる花坂陶石にこだわらずに他産地の土を使って下地の重ねの面白さを表現し、色彩は華やかさを意識したという。
稲積さんは「伝統というものを考えたとき、技法だけではなく、地域の人々によって精神的に受け継がれたものが、産地の特徴になっていくと思う。そうした重層的な文化を大切にしながら、自分が見たことのないものを目の前に出したいという気持ちで作った」と話している。
同ギャラリーの細川伸子代表は「稲積さんの作品は、国籍も時代もわからない、ほかの人にまねができないものを持っているので、その不思議な世界を楽しんでほしい」という。期間中、伝統工芸九谷焼の技法をアレンジして制作された新感覚の器やオブジェが真っ白なギャラリーを彩る。
営業時間は11時~18時30分。日曜のみ12時30分~。4月22日まで(18日休廊)。