金沢の伝統工芸・水引や新アート・金澤コラージュの作家ら女性4人が1月1日、「いしかわ文香プロジェクト」を始めた。
「文香」とは手紙に香りをたきしめたり、季節の花や木の枝を添えて送ったりする文化で、平安時代から伝わる。同プロジェクトは、この文化をベースに水引作家・塚谷彩子さんがカメリアにも似た変わり梅模様の水引や、金澤コラージュ作家・生田麻里さんが試香紙に金澤をイメージしてコラージュした「文香ムエット」を制作。そこにブレンドアロマの香りを込めて手紙と共に贈り、「石川県人の美意識と感性」を全国に届ける。
アロマの調合を担当したのは調香師のSaikoさん。第1弾となる「金澤文香」では、小説家・三島由紀夫が50年前の金沢を舞台に描いた「美しい星」に登場する、兼六園・霞ヶ池の情景を表現したアロマオイル「金澤の香り・天上の平和」を完成させた。
「いしかわ文香」は今回の春バージョン「金澤文香」、夏バージョン「能登文香」、秋冬バージョン「加賀文香」がリリース予定で、1年を通して石川県の四季を表現する。それぞれ水引8種・文香ムエット4種・アロマオイル1種が1セット(12通分)となる。
同セットはプロジェクトに賛同したサポーターズ・クラブ会員に送る。春、夏、秋・冬の中から希望の1セットを選べる季節会員(登録手数料=5,000円)と、シーズンごとに各セット(計36通分)が届く四季会員(同=1万3,000円)のほか、県内企業・団体を対象として企業イメージの「いしかわ文香」を制作する蘭奢待(らんじゃたい)会員も募集する。
同プロジェクトをプロデュースした小西敦子さんは「日常での使いやすさを追求し、水引をフランス配色にするなど工夫を凝らした。将来的に伝統工芸に従事する職人の雇用安定化にもつながれば」と期待を寄せる。
「金澤文香」は1月25日、しいのき迎賓館(金沢市広坂2)で行われる「お披露目コーヒーサロン」で発表する。当日は塚谷さんと生田さんによる「金澤水引」や「金澤コラージュ」のワークショップも開催。開催時間は14時~20時。入場無料。