石川県立伝統産業工芸館(金沢市兼六町、TEL076-262-2020)で現在、「新感覚」の輪島塗展が開催されており、漆で加飾されたスニーカーやクッションなどが来場者の目を引いている。
同展の名称は「輪島塗+(プラス)」。高級品のイメージが定着している伝統的な作品に加え、時代のニーズに合ったアイテムを紹介することなどから名付けられた。
会場は日常の生活場面を想定した9つのコーナーに分かれ、このうち「玄関」コーナーには、きらびやかなスニーカーと持ち手が漆塗りの傘、プランターが並べられた。
「男の書斎」と題したコーナーは、漆を含ませたジャガード織りの書類バッグ、沈金が施された万年筆・ボールペン、鳳凰(ほうおう)が描かれたヘルメットで彩られ、「ベッドルーム」には漆で加工された布製クッションと目覚まし時計、寝酒のためのぐい飲み、マグカップが置かれた。
来場者は漆芸品が演出するシックで気品のある空間に見入り、「きれい」とため息をつく人の姿も見られる。
出品点数は約80点で、職人17人が手掛けた。
開場時間は9時~17時。木曜休館。入館料は、18歳以上=250円、65歳以上=200円、17歳以下=100円。4月1日まで。