2015年春に予定されている北陸新幹線金沢開業のPR用マスコットキャラクターが決定した。縁起物の郷土玩具「加賀八幡(はちまん)起上り」をモチーフに、加賀百万石の伝統工芸をイメージさせるデザインを取り入れた「風格を備えたキャラクター」(石川県担当者)で、現在、愛称を募集している。
「加賀八幡起上り」は、八幡大神が誕生した際に深紅の産着を着た人形を作ったという言い伝えから生まれた郷土玩具。倒れてもすぐに起き上がることから、子どもの幸せを願う誕生祝いの贈り物のほか、病気見舞いなどにも使われている。
石川県のマスコットキャラクターは、金沢箔(はく)をイメージさせる金地に、九谷焼に用いられる「九谷五彩」で花や松、青海波、鳥などを描き、加賀友禅の技法「外ぼかし」も用いた「豪華版」。目とひげは輪島塗の黒色で、「県内のマスコットキャラクターを代表するような風格を備え、石川の重厚な文化を発信するのにふさわしいもの」を目指した。
金沢市在住のグラフィックデザイナー、田中聡美さん(35)のデザイン。
今後、着ぐるみを製作し、10月27日に東京で行われる「日本橋・京橋まつり」でお披露目する。その後も、主に首都圏で開催する観光物産展などの観光PRイベントに登場させる予定。
県首都圏戦略課の竹内政則課長は「開業PRのキャッチコピー『いしかわ百万石物語』を象徴した。県内で行うキャンペーンでも使うので、まず県民に好きになってもらいたい」と話している。
県では、このキャラクターの愛称を募集している。県の観光情報ホームページ「ほっと石川旅ネット」からも応募でき、締め切りは9月13日。選定された愛称を応募した人の中から10人に石川県の特産品をプレゼントする。問い合わせは愛称募集事務局(TEL 076-269-1137)まで。