ゴールデンウイークの行楽客でにぎわう金沢城公園に5月5日、加賀藩初代藩主前田利家の義理のおいと伝えられる武将前田慶次郎(慶次)が登場し、記念撮影に応じた。
県が主催する「城と庭のもてなし事業」の一環。県は昨年まで一般的な武者と姫君役を用意し、百万石情緒を演出していたが、今年は初めてキャラクターを特定した。前田慶次郎は戦国時代末期から江戸時代初期にかけて活躍した武将で、腕が立つ一方、派手好みで酔狂な傾奇者(かぶきもの)としても知られている。柴田錬三郎賞を受賞した小説「一夢庵風流記」や、同作を原作にした漫画「花の慶次」で脚光を浴び、広く知られるようになった。
慶次郎に扮(ふん)したのは、金沢市在住で劇団「彦座(ひこざ)」の座長兼殺陣師を務める村田彦二さん(30)。同劇団は慶次郎を主人公にした舞台公演を行っており、主役を務めてきた村田さんはこの日もその舞台衣装で臨んだ。
同園には外国人観光客や県外からの家族連れらが次々に訪れ、慶次郎と写真に収まって金沢観光の思い出を刻み込んだ。
村田さんは「名古屋城の『おもてなし武将隊』を手始めに、全国の城で武将隊が作られ、観光客の人気を集めている。金沢でも役者仲間と共に金沢らしい武将隊を作り、来県客をもてなしたい」と意気込みを見せる。