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学生らが被災地でボランティア-長野県栄村で家具搬出を手伝い

北信小学校で足湯を提供するため、湯を沸かすボランティア参加者

北信小学校で足湯を提供するため、湯を沸かすボランティア参加者

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 金沢大学人間社会研究域法学系の研究員、田中純一さん(44)と金沢市内在住の学生ら有志8人がこのほど、東日本大震災の翌日に発生した長野県北部地震の被災地・同県栄村を訪れ、被災住宅の後片付けを手伝った。

大久保地区の家を回り、手助けできることを尋ねる学生ら

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 長野県北部地震は12日3時59分ごろに発生し、同村で震度6強、マグニチュード6.7を観測した。村内では公民館や住宅、工場が全壊し、小学校は天井が落下。国道も陥没した。田中研究員によると、住民約2,300人のほとんどは自宅に帰ることができず、7カ所に設けられた避難所や近隣市町村にある親戚の家に身を寄せていた。

 田中さんに同行したのは女子学生3人と男子学生1人、金沢市と福井市の僧侶、2007年3月の能登半島地震で自宅が全壊し、仮設住宅暮らしを経験した輪島市在住の50代の男性。田中さんと学生らは同地震で被災した同市門前町や穴水町で、今もボランティアで足湯の提供を行い、思い出の詰まった自宅を失った心の痛み、孤独感を抱える被災者を温かく見守っている。今回は「能登半島地震の際、全国の方にお世話になったお返しをしよう」と、ボランティア活動を通じて交流のある知人に声をかけ、東日本大震災やその後に起こった地震の被災地の中で石川県に近く、被害も甚大だった同村に向かった。

 22世帯すべてが被災した大久保地区。破れた屋根から吹き込んだ雪が室内に積もった家や、倒壊の恐れがあると知らせる赤い紙が貼られ立ち入りが禁止された家も。学生らは地震の爪痕が残る一軒一軒を回り、一時帰宅の時間を利用して屋内の後片付けに追われる家人に「お手伝いできることはありませんか」と声をかけ、崩れた土壁の撤去や家具・畳の搬出に力を貸した。住民からは「わざわざ遠方から手伝いに来ていただき、ありがとうございます」と感謝されたという。

 また、沢のわき水をポリタンクにくんで約250人が避難する北信小学校に運び、足湯を用意したが、あいにく給水と昼食準備の時間に重なったことから希望者はなかった。

 田中さんは「避難所暮らしが長くなっているので、被災者の皆さんは疲れた様子だった。これから中長期的にボランティアが必要になる。継続して出掛け、毎回、足湯も準備したい」と話す。今後、東日本大震災の被災地にも、安全性と被災者のニーズを確認した上で出向くことにしている。

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