金沢21世紀美術館（金沢市広坂、TEL 076-220-2800）のデザインギャラリーで現在、「D&DEPARTMENT PROJECT Only honest design can be recyclable.本当のデザインだけがリサイクルできる」プロジェクト第2期が開催されている。

　同プロジェクトは、物と同じように消費されていくデザインについて考え、ロングライフなデザインのリサイクルを提案し実践、デザインが社会における課題や問題に対して一つの解を与えることのできる「技術」であることを呈示するもの。同プロジェクトを手がける「D&DEPARTMENT PROJECT」は、デザイナーのナガオカケンメイさんが2000年から展開するデザインとリサイクルを融合した新事業。

　「デザインをリサイクルする」という一連の活動を、3つの期間に分けて展示する同プロジェクトの第1期では、まだ使えるにもかかわらず廃棄されてしまったものをそのままの状態で展示し、現代の消費サイクルの問題点を提起した。

　現在、開催中の第2期では、ロングライフデザインとして保持すべき物をセレクトし手を加えないまま陳列することで、来場者に「もう一度使うか」と問いかける。会場には、ゴミとして捨てられたパイプイス、アルミのやかん、電気ポット、グラスなどが整然と並ぶ。

　最後となる第3期では、「こうやったらまだ使える」「よく見るとゴミなんかじゃない」と拾い上げた（救出した）ものを、なるべくきれいな状態に戻して楽しく工夫を凝らしながら再販売を試みる。ロングライフデザインを選択するマーケット層を開拓し、現状の消費サイクルでは瞬時に流行遅れとなってしまう商品をしっかりと売り続ける仕組みそのものを展示し、総括する。

　12月11日には、ナガオカケンメイさんと同館の秋元雄史館長によるトークイベント「ニッポンのロングライフデザイン」（15時～16時30分）を予定する。

　開催期間は、第2期＝12月12日まで、第3期＝12月14日～1月30日（12月27日～1月1日は閉場）。開場時間は10時～18時（金曜・土曜は20時まで）。月曜休館。入場無料。