金沢美術工芸大学がプロデュースする期間限定のアート&デザイン・ショップ「KACOA(カコア)」(金沢市片町1-1-32 NTT香林坊ビル1F)が10月6日、香林坊郵便局跡地にオープンした。
同店では、同大の学生が企画・制作した衣類や小物、アクセサリーなどのオリジナル作品を取り扱っており、店舗設計は環境デザインを専攻する学生、広告宣伝は視覚デザインを専攻する学生が手がけた。学生が学内の研究にとどまらず、実際に街中へ出て作品を販売することで、仕入れや価格設定、見せ方などをふまえたアートマネジメントを体験し、アートと社会とのつながりについて学ぶのが狙い。
2004年に「金沢ファッション産業都市」を宣言した同市が市中心部の武蔵-香林坊-広坂の約1.6キロメートルを対象にファッション関連店舗を誘致する「かなざわファッションストリート創出事業」の一環で、開催中の「ライフ&ファッション金沢ウィーク」に合わせて出店した。
郵便局跡地にちなみ、「郵便、交流」をテーマにした作品もあり、大学院ファッションデザインコースの学生が企画・デザインした「enverobe」は、布製封筒を開けると中からカットソーが出てくる仕組みで、封筒は広げた状態のカットソーのデザインの一部になっている。同コースの学生が企画し、グラフィックを視覚デザイン専攻の学生、ボタン制作を工芸科の学生が担当した「opT」は、手のひらやワニなどをモチーフにした6デザイン・2色展開のTシャツに好きなボタンを組み合わせ、自分なりの加工でオリジナルTシャツを楽しめる。学生が企画・制作したクリアファイルや便せんなどのステーショナリー、工芸、絵画などを販売しているほか、店内の空間づくりのオブジェを兼ねて制作された久世建二学長の陶造形、同大講師の工芸作品が店内を彩る。
店内には、ギャラリースペースを設け、期間中の前半は新しいライフスタイルに合わせてデザインされた漆の試作品を、後半は世界中から集められた金箔を使った製品を、それぞれ展示する。営業時間は12時~19時。問い合わせは金沢美術工芸大学(小立野5、TEL076-262-3531)。10月26日まで。